気ままにツーリングとモトブログ【I LOVE CB750F】

オーナーとなり39年目の愛車のCB750F。ついに還暦になった「ちゃれさん」がこのCB-Fを使って10数年後に最年長モトブロガーを目指す日記です(笑)

もし、CB-Fがロングセラーだったら物語③「山中氏の苦悩」

ややコンパクトになり、高出力を高回転で稼ぎ出すエンジンへと
RC01Eが変貌した。
問題は、それを載せる車体だ。
ホンダでは、次期V4の市販車両用に、角断面のフレーム構想があった。
コンピューターで解析されるフレーム構造である。
CB-Fの外装はそのままに、フレームをごっそりとリニューアルする方向で
シャシーチームは動いていた・・・。
第1段階の試作も完成し、テストライダーの試乗により、新しいフレームの
能力の高さは誰も認めるところだった。
しかし・・・
また、オヤジさんである。
「ばかやろ~!!おめぇ~らには、美意識てもんがねぇ~のか!」
「フレームは丸だよ、まる!」
またか・・・研究所のメンバーは困惑した。
オヤジは言い出したら聞かないしな・・・。
そこで、勇気のある社員がひとり、直談判に望むことになった。
「角断面をやらせてください!」

答えは・・・「ノー」だった。
何でもカンでも、新しくすりゃ~いいてもんでない・・・これがオヤジの回答。
しかし、実はこれにはオヤジしかわからない裏事情があった・・・。
エンジンをあれだけ改良した・・・コストもかかる。
六本木(藤沢氏のこと)が、あれだけ金の工面で苦労してるのに・・
新しいフレームにこれ以上、金をかけちゃ~いけねぇ・・・。

オヤジは、山中氏を呼び小さな声で相談した。
「何とか、金をかけずに今のフレームを強化できないのか・・」
山中氏は、オヤジさんの心中を瞬時にさっした・・・
そして、「わかりました。何とかやってみましょう」

山中氏には、時代が角断面のアルミフレームの方向に向かっていることは
痛いほどわかっていた。
さらに、目の字断面のアルミを使うことも将来的に考えてもいたのである。
(事実・・・NSRで採用されるが・・・ここでは永久に出てこない設定だよ)
どうやって、このクロモリの鉄パイプで強化するか?
新たな難題の出現に、研究所はぶつかっていくのである。

・・・つづく