気ままにツーリングとモトブログ【I LOVE CB750F】

オーナーとなり39年目の愛車のCB750F。ついに還暦になった「ちゃれさん」がこのCB-Fを使って10数年後に最年長モトブロガーを目指す日記です(笑)

もし、CB-Fがロングセラーだったら物語②「究極の空冷4発を作れ!」

オヤジさんの、感動的な宣言により、旧型化したCB750Fをリファインすることになった。
研究所のメンバーの中には、開発責任者だった山中勲氏もいる・・・。
実際にRC04を開発しただけに、どこを取っても70年代の基本設計であるが故の古さが目立つ。
しかし、天災や様々な事情さえなければ、ホンダは次期GPシーンにおいても
市販車両においても、画期的なアイデアは有していた。
これを、このRC04にどうつぎ込むか?が議論された。

まずは、エンジンである。
CBシリーズには750・900・1100と3種類のエンジンがある。
もちろん、1100系が史上最強の空冷エンジンであることは疑う余地はない。
これを使うか?・・・と誰もが思っていた。
しかし・・・オヤジがそれを認めなかった。
「排気量のでかいのがエライって、いったい誰が決めたんだ!」
全員がハッ!とした瞬間である。
そうだ!ホンダは高回転高出力で馬力を稼ぎだし、大排気量に立ち向かってきたじゃないか!
ここで、RC01Eという750のエンジン以外では、ホンダがホンダとして生きてゆけないことを
全員が悟った・・・。
900と1100のエンジンは、このときに再生産しない方針が固まった。
残されたエンジンはRC01Eのみ。
このエンジンを、まずリファインするチームが結成された。
ホンダにはNRで培った究極の4stの技術がある。
どれほどまでのピストンスピードまでなら可能か?をよく知っている。
まず、このエンジンをショートストローク化する方向で決まった。
もともとのスリーブの限界までボアが拡大され、
シリンダーのフィン1枚分の高さをカットし、ショートストローク化することで
748ccにしたのだ!
目標出力は、748ccでありながら100ps/13000rpmとされた。
この問題を解決するために、
ハイボチェーンを廃止、ギアトレイン化。
また、高回転で問題となったジェネレーター部分も、改善され電磁石ローターの廃止。
そして小型で薄型化された。このことによって右クランクのでっぱりが小さくなる。
また左側はアウターローターCDI化され、こちら側の出っ張りも小さくなる。
給排気ポートも手で研磨するという手法を取った(のちの4輪のtypeRで採用される手法)
カムも11Rのカムをベースに高回転高出力に対応するものに交換され、
ピストンも鍛造のハイコンプ仕様となる。
ここまでの、問題はハイパワー化した空冷エンジンの冷却だけであったが、
大型のオイルクーラーを前面のライト下に配置し、ドライサンプ化するという
スペンサーFの手法を取り入れることで、解決することとなった。
この急ピッチのエンジンのリファインによって、シャシーダイナモで、
目標値の100psを達成したのが84年の春であった・・・。

この生まれ変わったRC01Eは、RC01E-Rと呼ばれた。
このRC01E-Rの出来上がりを待つかのごとく、
実はシャシーチームもRC04の車体に大幅な変更を加えていた・・・。

つづく・・・