気ままにツーリングとモトブログ【I LOVE CB750F】

オーナーとなり39年目の愛車のCB750F。ついに還暦になった「ちゃれさん」がこのCB-Fを使って10数年後に最年長モトブロガーを目指す日記です(笑)

もし、CB-Fがロングセラーだったら物語⑬「オヤジさん、ふたたび・・・」

このままでは、カワサキに負ける。
研究所のエンジン担当になった佐藤は最短時間で出来るCBの改良案を模索した。
1ヶ月と言う時間の制約がある。大掛かりなことや全く新しい試みは出来ない・・・。
そこで、数年前にCBR400で使ったREVという機能をCB750Fに追加する方針が決まった。
REV・・・低回転では2バルブ、高回転で4バルブになるという仕組みである。
徹夜の作業が続き、2週間でCBのヘッドにREVが載ることになる
・・・とは言っても400の部品を流用加工して無理やりつけただけであった・・・。
「何とか間に合ったな・・」とREVを装着したシリンダヘッドを見ていた研究所員たちのところへ
オヤジさんが、やってくる・・・。
そして「どんな、あんばいだ?」と問い掛ける。
佐藤がREVの装備で開くバルブ数を可変にしてトルクを稼ぐことを報告すると、
「何で4つあるものを2つしか使わないんだ?もったいねぇ~じゃないか!」とギラリと睨む。
佐藤は(また・・はじまったよ・・と思いながら)
「ここまで高性能なエンジンにしてしまうと極低速のトルクを出す方法がほかにない」と説明する。
ふむふむと頭をかしげながら聞いていたオヤジの目が光って、「そうかな?」

オヤジさんは何を言ってるんだ?研究所員がじっと見つめる中で・・・
オヤジさんは、シリンダヘッドのカムに触り、前後に回す手振りをする。
そして「これだよ」・・・・ニヤリと笑った。

研究所の一同はハッとした!
そうか!バルブの数の変更もだが、バルブタイミングの変更もトルクアップにつながる!
可変バルブタイミング機構・・・そうV-TECの発想である。
瞬時に行う発想の転換はさすがは天才、本田宗一郎である。

オヤジさんのアイデアを元に、急ピッチで新しい機構の図面が書かれていく。
そして1週間後、V-TECの可変バルブタイミング機構が実際にCBのヘッドに装着され
テスト走行される。
性能は、予想したとおり、低回転ではトルクがあり、高回転では胸のすくような
フケ上がりをした。
あとは、オヤジさんに報告するだけである。

つづく・・・。