気ままにツーリングとモトブログ【I LOVE CB750F】

オーナーとなり39年目の愛車のCB750F。ついに還暦になった「ちゃれさん」がこのCB-Fを使って10数年後に最年長モトブロガーを目指す日記です(笑)

もし、CB-Fがロングセラーだったら物語⑧「グンが帰ってきた」

83年のスペンサーvsキングケニーの盛り上がったGPシーンと打って変わって
ホンダの撤退した84年のGPはヤマハの一人勝ち。
ライバルのないヤマハはマシンも従来のままで変更がなかった。
結果、84年のGPシーンは、全く盛り上がらず、人々の興味を失っていく。

漫画家、しげの秀一氏の「バリバリ伝説」も、バイク好きな高校生のラブコメから
レースで頂点を目指す若者の話に変貌していたが、GPシーンの衰退は
このままでは彼にとってのメジャーデビュー作を殺してしまう結果を生む。
やむなく、しげの氏は、強引にストーリーの展開の方向転換を図るのである。

グンは全日本のチャンプを取ったものの、峠で彼の乗るNS400Rはブッチ切られてしまう。
相手は85年にデビューしたばかりの新型GSX-R750に乗っている。
サーキットと公道での速さの違いに気づき、レースを止め、
各地の峠を攻めて回るというイニシャルD系の話にしてしまう。
(したがってイニシャルDという漫画は生まれないし、AE86人気もない・・・爆)
そして主人公グンが選んだバイクは、かつて乗っていたCB750Fの改良版「ボル3」だった。
旧式のCB-Fの改良型に乗り、新型のマシンに乗る峠のツワモノを追い掛け回す。
そしてパワー差のでない下りで、スーパードリフトでブッチ切る。
ここにCB750Fボル3、下り最速伝説が生まれた。

バイクに興味を持つ若者達は、かけ離れたレースの世界より身近な峠バトルの話に
夢中になった。
そこに追い討ちをかけるように「バリ伝」の中のグンのセリフ
「ホンダっきゃね~よ!」とか
「速ぇ~ぜい、NEW CB子ちゃん」とか・・
この漫画で活躍するバイクが、実際に新車で買えるのである。

86年の初頭から、いきなりバックオーダーがかかるほどボル3が売れ始めるのである。

各地の峠では、「かめっ」と叫びながら走るNEW CB750Fが多く見られるようになる。
しかし、一方でローリング族に対する冷たい批判も生んでいくことになり
これが、さらにCB750Fの運命を変えていく・・・。

つづく・・。