急峻な四国の山を駆け上がる
これでもか!これでもか!とスロットルを開け続ける
キャブレターが空気が薄くなってきているのを知らせることで
なんとなく高度が一気に上がっていくのを体感する
前を走るマシンのテールに食らい付く
2台とも同じポイントでリーンを開始する
彼のマシンのサスがググッと縮むのが見える
トラクションが最大にかかってグイグイと曲がっていく
80年代のマシンのコーナーリングは
まるでねじ伏せるかのような豪快さが魅力だ
山頂で駆け上がったワインディングを見下ろし
ハートもマシンもクールダウンさ
そばにたたずむマシンから「キンキン・・・」と
金属が冷めていく音が聞こえる
「悪かったな・・・・無理をさせて・・・」
心の中でつぶやく
この音が聞こえる時は、
走りは熱くてもアタマは冷静だ
何処に行き、どんな走りをしようとも無事に帰れる
いつまでも一緒に走り続けるために・・・