「空冷にしか、見えない風景がある」
そういう文句で、新型のCB1100が出た。
大人向けのバイクのようだ。
空冷エンジンには、ゆったりとした味がある。
そう主張している。
一方で・・・
俺のCBはどうだろう?
30年前に・・・
この世に生を受けたコイツが目指していたのは
スーパースポーツだったはずだ。
だから俺は、コイツによりパワーを与え
より官能的に吠えるように躾してきた。
アイツも、時代の流れに逆らいながら
駿馬として最後まで自らの生涯を全うしようとしている。
だから、バイクが放つ色気の種類が違うような気がする。
妙に悩ましく色っぽい。
春が近づき、この色気に悩殺されながら
走り出す準備が今年も整ったようだ。
見知らぬ道を、見知らぬ風景を、探して走る
今年も俺のイグニッション オブ ライフが始まる。