あれは何歳のころだったろう?
20代後半・・・
俺のCBのタンデムシートに乗る人が現れた
バイクなんて、まったく縁の無い人だった
ツーリングに行くのに付き合わす為に
俺はメットを買って与えた
その人は俺のタンデムに乗るために
自分で革ジャンを買った
華奢な身体に革ジャン・・・
サイズもあってない・・
革ジャンは重くて肩が凝ると言い、
せっかく買った革ジャンも最初の数回のみで着なくなった
俺は・・・何かの拍子に、
その革ジャンに袖を通してみた
自分にサイズがピッタリだった。
革ジャンあげるよ・・・と言われ
素直にもらった
気に入ってしまい、寒い日は毎日のように着ていた
いつの間にか・・・
その革ジャンは自分の宝物のようになった
あれから20年ぐらい?経つのか?
あちこち擦り切れた革ジャンを身に付け
あの頃と同じCBと一緒に写真を撮ってみた。
あの頃、タンデムシートに乗っていたあの人が
一緒に写っていないだけで、何も変わらない気がした。
革ジャンの本当の持ち主・・・
あの人は・・・今はどうしているのだろう?