マン・マシーンのポイントを考えてみる
つまり、バイクと人の接する場所のこと。
これは3箇所しかないよね。
ハンドル・シート・ステップ。
この3箇所を結んだ三角形が重要ってこと。
もちろん、バイクには重心があって、その重心の位置も関係するけど・・。
この三角形は、メーカーが乗りやすいようにいろいろテストしてあるわけで・・
これを大きく崩すと、とても乗りにくいものになったり、格好だけのものになったり・・。
しかし、乗り手の体型は様々だから、やっぱり自分に合ったポジションをつくることは大事。
でもポジション作る前によ~く考えてみよう。
それは、そのバイクの基本特性について・・。
ノーマルのCBの場合、
初期のFZ・FAと比較するとFB・FCではかなりアップライトなのもになったが、
ステップも低めで前寄り(当時は結構バックステップっぽい感じがしたけど・・)と
シートの高さは変わっていない。
つまり、三角形の形が起き上がったことになる。
これは、CBそのものがリアステアで乗ることを前提に作られてるんで問題なしと
メーカーが判断したのだろうと思う。
そしてCBはクランクケースが出っ張っているのにバンク角を稼ぐために
もともと重心が高い位置にある(だから小さな入力で左右に軽快にヒラヒラと動く)
おまけにシートの座面も高い位置にあるもんだから、余計に軽快感があったわけだ。
ところが・・・
これに乗りなれてくると・・・
やはり重心は低い方が安心感が大きいことに気づく。
・・で、身体を伏せたり腰を若干落として(軽めのハングオフ)して
乗車時での重心を低く抑えたり擦る乗り方で
乗り手側でコントロールするわけ。
しかし、自分の身長170cmだと・・
ノーマルのポジションだと、腰を後に引く(リア乗り)と、ハンドルが遠くなり
ステップも前過ぎたり、腰をずらすとステップが遠く踏ん張りが利かなかったり・・と
ハンドル巾も同じように・・・外側の腕が遠すぎて抑えが効かなかったり・・。
で、・・・この三角形を、大きく形を変えずに、一回り小さくし、
なおかつ、重心を下げるためにわずかに三角形の位置を下げるポジション探しをするわけだ。
シート高を下げ、リアよりに荷重がかけれるような形状にアンコを抜く。
ステップはわずかに上げ、そして後に下げる。
つまり座面とステップの距離が短くなり、ライダーの重心が後ろよりになることで
これだけで人間の腰下の動かし方がとても楽になり、リアステアしやすい。
ところが、問題は・・・
ハンドルの位置だ・・。
座面が下がった分と相対すると、ハンドル位置が高くなったわけだ。
これを修正しなくちゃいけない。
ハンドルを低くし手前に持ってくるしか方法がないわけだ。
身体の腰下を左右に振りやすくなった分だけ、腕が伸び切らないように
ハンドル巾も狭くする必要も生じる。
これが、うまくいくと・・
ライディングポジションがコンパクトになり自由自在に操りやすい。
(バイクに乗るとき、身長が15cmぐらい伸びる人には必要ない・・笑)
もちろん、これぐらい乗車時の重心が下がったところで
もともと高い位置に重心のあるCBの軽快感が薄れるはずもない。
(タイヤも細いし・・)
しかし、ここで注意しなくてはいけないのは・・・
マシーンの前後の車高がバランス良くまとまっていることが前提になる。
足回りを交換したりして、ホイールベースやキャスター角、トレール量が変わった場合は
また別の対処が必要になる。
事実、チャレメ号の場合・・。
もともと19インチであったフロントが18インチ化したことで前が下がり
トレールがわずかに減少している。
おまけに、リアサスをオーリンズに変えたことで、やや尻上がりになったようで
キャスターも微妙に立っていると思われる。
そこで、フロントの突き出しを調整したり、フォークオイルの量で乗車時の前下がりを抑え
出来るだけ19インチ時代と変わらぬ前後のバランスを取った。
結果的に、車高が前後ともわずかに上がっているが、
(もともとの高さかもしれない・・・今までがヘタって車高が落ちていた可能性の方が大きい)
立ち姿勢としては、バランス良く、シャンとしてきたように感じる。
この状態では、調度良いと感じていたVF750のハンドルでさえ、
相対的にやや高めに感じていたわけだ。
ノーマルハンドルの高さだと・・・とんでもない高さになる
(シートをノーマルにすれば・・・相対的にはいいかもしれないが・・)
こうやって・・・足回りとポジションのバランスには永遠に悩まされ続ける・・。
もっとも・・・人間の感性は・・・慣れるという行為を伴うはずで・・・
いつまで経っても慣れないと感じたら・・・また試行錯誤するべきかもしれませんね。