気ままにツーリングとモトブログ【I LOVE CB750F】

オーナーとなり39年目の愛車のCB750F。ついに還暦になった「ちゃれさん」がこのCB-Fを使って10数年後に最年長モトブロガーを目指す日記です(笑)

キャブレターのセッティングは基本に忠実に

昔むかし、はるか昔にブログでキャブセッティングの基本の話を一度書いてありますが、そのリメイクになります。


キャブレターのセッティングにはセオリーがあります。

それ無視すると永久にセッティングは出ません。

(僕はバイクのエンジニアでも何でもありません、ただの素人です)

 

まず、キャブの基本を考えましょう。


キャブレターをいじっている人で迷宮に落ちている人の中で一番多い勘違いがあります。

 

それは低速域とか低回転とか・・・高回転とか、高速域とか。

まず、そこが間違いです。


回転数と言うのは、そのセッティング状況で結果的にその回転までしか使えない、もしくはその回転までしか上がらないってことです。

つまり現状の空気とガソリンの混合状態でその回転までエンジンが回せることを言ってます。

 

それはどういうことか?

つまり、基本はスロットルの開度です。

 

アクセルを開けた分だけキャブレター内のピストンバルブが開きガソリンをエンジン内に送り込みます。

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このピストンバルブの開き加減によって回転数が変わるのです。

つまり少ししか開いてないときは低回転で回る分しかガソリンは送り込まれていないし、全開で開けば高回転まで回せるだけのガソリンが送り込まれていることになります。

 

これをコントロールするのがアクセルの役割になります。

つまりアクセル開度に応じたキャブレターのセッティングをするということです。

 

どういうことかというと?

色々なアクセル開度で送り込まるガソリンの量と空気の量を最適なものにしましょう。このミックスする比率を空燃比と言います。

正確には14.7:1が最適空燃比と言われますが、空気が約15に対してガソリン1の比率の混合気を作ると効率よく燃えて馬力が出るわけです。

この空燃比をどのアクセル開度でもきちんと合わせること。これをキャブレターセッティングと言います。

 

それではスロットル開度に応じた解説していきます。

1.スロットル開度0~1/4
この開度はほとんどスロージェットとエアジェット、エアスクリューだけしか支配してません。
ニードルを何番目にしようが、メインジェットを何番にしようが関係ないです。
ここでのセッティングの仕方
スロージェットは、基本的に排気量とか大きくならない限り、そんなに変化しません。
この開度だと、アイドリングから低回転までしか回らないのが通常ですから
それほどシビアに1~2番SJを変えても変わらないです。
逆にエアーの量はシビアです。
プラグのネジ部がかぶっていたら、この回転域を疑うべきでしょう。
しかし、ここではきちんとエンジンが始動すること、正確にアイドルすることが前提なので、多少かぶっていても、それが原因でエンストを起こさなければ問題にはなりません。

 

2.スロットル1/4~3/4
この開度では、ジェットニードルの支配力が強いです。

俗にいう中速域のアクセルの付きはこの領域です。

それだけにレース用のキャブレター(FCRやCRなど)は、ニードルの種類が豊富です。太さや針の先へのテーパー角など微妙な差のものがたくさん用意されています。

しかし、シビアなレース用のセッティングなく一般道で乗るのであれば、その車種に対応したキャブを買った時についてくるデフォルトのニードルで十分、もしくはその前後の番数ぐらいまでです。
そして、この開度は微妙にメインジェットも関係してきます。
もう、この辺の開度になると、スロージェットやエアスクリューでは
調整できないので、エアスクリューをドライバーで回したりしても何の効果もありません。
ニードルのクリップ段数は、一段上げ下げするだけで、
ニードルの太さやテーパーを何段階も変更したぐらい激変するので、
安易にクリップ段数の変更はしないほうがいいです。
ちなみに、この開度でも空ぶかしの無負荷の状態ならレッドゾーンぐらいまで回ります。
これでメインジェットのセッティングが出てると勘違いすることも多いと思います。
その原因は2/4~3/4ぐらいでは、スムーズに全開域に移行するのにメインジェットがあまりにかけ離れていると全開域に移行しないので沿いう思うわけです。
この辺が、ニードルの太さ、テーパー、クリップ、メインジェットと4つの組み合わせがあって1番むずかしいところです。
回転数でいうと、仮に10000rpm回るエンジンの3000~7000ぐらいの範囲のレスポンスのイメージでしょうか?

つまり、この開度のセッティングが上手に出れば一番楽しく乗れる領域でもあります。
プラブは電極の下にあるガイシの部分の焼けを参考にします。

 

3.スロットル開度3/4~4/4(全開域)
ここになると、ほぼメインジェットが支配してます。
入ってくるエアーの量に対して、もっとも適切なガソリンの量の最大値のメインジェットを選ぶと言うことなのですが(空燃比15:1)
少々、メインジェットの大きさが違っていてもレッドゾーンまで上がりますが、ここのセッティングは5速全開でというような場面のことです。つまり一般公道では試せない領域になります。

 

1速、2速とかの低いギアであればきっちり上まで回り切りますが
きっちりメインジェットの合っていないキャブレターでは、5速全開の最後のところで「ビュン!」と最後の加速がありません。
合っていないと、「ぶぁーーー」と鈍く増速する感じになります。目いっぱいの力を発生する場面で差が出ます。

 

各スロットル開度での解説をしましたが、ここからはセッティング時の注意事項です。


ここでの注意は、スロットル開度は下から順に行うのがセオリーです。そして、やや濃い目からセットしていくことと、無理に回転数を上げないこと。ガソリンが薄いとイッキに焼き尽きを起こし兼ねません。


セッティングは基本的に、下から順を追ってやっていくことが肝心です。アクセル開度も下から順に、ジェットやニードルも小さいのから順番に行います。

そして何よりも大事なのは、エアーとガソリンを混ぜて最適な混合気を作ることを考えて、現在のアクセル開度で、キャブのパーツのどこをどうすれば、エアーが増える、ガソリンが増える、を理解しながら、いろんなパターンを試すことです。